ダイアトニックコードには中心となる、3つのコードがあります。それらを主要三和音と言い、コード進行を分析していくと、全て主要三和音のいずれかに、分ける事が出来ます。主要三和音の代わりをしてくれる、代理和音についても知っておきましょう。

主要三和音

Cメジャーキーのダイアトニックコード(三和音)
Cメジャーキーのダイアトニックコード(三和音)表

主要三和音は145番目

Cメジャーキーの三和音を例に挙げると、1番目のCをT(トニックコード)、4番目のFをS(サブドミナントコード)、5番目のGをD(ドミナントコード)と言います。他のメジャーキーでも145番目が、TSDとなるのは同じです。これら主要三和音には、下記のような機能があります。

  • トニックコード

    主役と言えるコードで、強い安定感があり、曲の始終に使われる事が多いです。日本名は主和音(しゅわおん)です。

  • サブドミナントコード

    割と自由なコードで、目立ちはしないものの、展開を生み出してくれます。日本名は下属和音(かぞくわおん)です。

  • ドミナントコード

    影の主役と言えるコードで、ある条件(下記に説明あり)を満たすと、不安定なサウンドになり、トニックコードへと、進行したがります。日本名は属和音(ぞくわおん)です。

Cメジャーキーのダイアトニックコード(四和音)
Cメジャーキーのダイアトニックコード(四和音)表

ドミナントモーションを起こす

今度は四和音ですが、主要三和音が145番目に、位置するのは変わりません。しかし、DがG7になる事により、トニックコードへの進行力が、より強いものになります。これをドミナントモーションと言いますが、音の流れなども含め、次のページで説明しています。

主要三和音の機能は変わらず

TSのC△7やF△7は、C△6やF△6になったりします。特にジャズで多いのが、テンションコードという五和音以上の、DがG7(9)等にもなりますが、機能的な事は変わりません。

  • Aナチュラルマイナーキーのダイアトニックコード
    (四和音)
    Aナチュラルマイナーキーのダイアトニックコード(四和音)表
  • Aハーモニックマイナーキーのダイアトニックコード
    (四和音)
    Aハーモニックマイナーキーのダイアトニックコード(四和音)表
  • Aメロディックマイナーキーのダイアトニックコード
    (四和音)
    Aメロディックマイナーキーのダイアトニックコード(四和音)表

マイナーキーはミックス

マイナーキーの3種類でも、主要三和音の位置は同じです。しかし、❶のナチュラルマイナーキーのDはEm7なので、これではドミナントモーションを起こせません。なので、❷のハーモニックキーや、❸のメロディックキーから、E7を借りるという風に、マイナーキーはミックスして、使われる事が多いです。

代理和音

  • Cメジャーキーの主要三和音
    Cメジャーキーの主要三和音のダイアトニックコード表
  • Cメジャーキーの副三和音
    Cメジャーキーの副三和音のダイアトニックコード表

副三和音は代理和音

主要三和音以外の2367番目を副三和音と言い、❷のように主要三和音の、代理として扱えるコードです。副三和音を代理和音とする事により、メロディを乗せるコード進行も、面白いものになります。どのような理由で、TSDに分けられるかは、以下の通りです。

主要三和音と副三和音の構成音(Cメジャーキー)
主要三和音と副三和音の構成音(Cメジャーキー)のTAB小節

主要三和音の構成音で分ける

副三和音は、どの主要三和音に構成音が似ているか、でTSDに分けられています。いずれの副三和音も主要三和音と、3音の重なる音があります。TABの副三和音は主要三和音と、重なる音のみ表しています。

  • 主要三和音のみのコード進行
    主要三和音のみのコード進行の簡略8小節
  • 代理和音も使用したコード進行
    代理和音も使用したコード進行の簡略8小節

コード進行は自由

❸は主要三和音のみのコード進行で、そこに代理和音を置いたのが❹です。私は上記のようにしましたが、代理和音の置き方も自由で、大事なのはメロディに合っているか、という事です。大まかには似通るものの、主要三和音のコード進行も含めて、コード進行は個人により、違ってくるものです。

代理和音だけではない

主要三和音と置き換えられるのは、代理和音だけではなく、他のメジャーやマイナーのキーから、借りてくる事も多々あり、更にコード進行を複雑にも、面白く出来るわけです。それらを借用和音と言いますが、それは別のページで説明しています。

記事終了
このページのまとめ
  • 主要三和音は145番目で、曲の中心になるコード。
  • 副三和音は2367番目で、主要三和音の代理コード。
  • コード進行は同じ曲でも、作曲者により異なる。