ソロアドリブ等のフレーズを作る時、最初に覚えるのがペンタトニックスケール、という場合が多いかと思います。ベースラインにも取り入れ易く、手軽にカッコいいフレーズが考えられる、というのが理由かと思います。ペンタトニックスケールの、作り方から見ていきましょう。

メジャーとマイナーのペンタ

  • Cメジャースケール
    Cメジャースケールの小節
  • Cメジャーペンタトニックスケール
    Cメジャーペンタトニックスケールの小節

メジャーペンタはヨナ抜き

❶はCメジャースケールで、そこから第4目のFと、第7音目のBを抜くと、❷のCメジャーペンタトニックスケールが作れます。第47音目を抜くので、メジャーペンタはヨナ抜き、とも言われます。もちろん、他のメジャースケールからでも、同じ事が言えます。

  • Aマイナースケール
    Aマイナースケールの小節
  • Aマイナーペンタトニックスケール
    Aマイナーペンタトニックスケールの小節

マイナーペンタはニロク抜き

❸はAマイナースケールで、そこから第2音目のBと、第6音目のFを抜くと、❹のAマイナーペンタトニックスケールが作れます。第26音目を抜くので、マイナーペンタはニロク抜き、とも言われます。やはり、全てのマイナースケールからでも、ニロク抜きが作れます。

  • Cメジャーペンタトニックスケール
    Cメジャーペンタトニックスケールの指板図
  • Aマイナーペンタトニックスッケール
    Aマイナーペンタトニックスッケールの指板図

ペンタトニックも平行調

❺がCメジャーペンタ、❻がAマイナーペンタ、のポジションです。両方はで示す主音は違うものの、構成フレットは同じで、つまりは平行調の関係にあります。これはメジャースケールと、マイナースケールの、平行調の関係と全く同じです。それについては、平行調を参照してください。

大きな譜面を開く
Cメジャーペンタトニックスケール(12小節目) / Aマイナーペンタトニックスケール(34小節目)
Cメジャーペンタトニックスケール(1・2小節目)/Aマイナーペンタトニックスケール(3・4小節目)の4小節目

ペンタトニックの使い方

12小節目のC△7でCメジャーペンタ、34小節目のAm7でAマイナーペンタ、という具合に、コードに合わせたペンタトニックを使う、というの分かると思います。コードのルートを表す根音の略記号も、13拍目に置いているので、動きは多いものの、安定したベースラインかと思います。

大きな譜面を開く
Aマイナーペンタトニックスケール(12小節目) / Cメジャーペンタトニックスケール(34小節目)
Aマイナーペンタトニックスケール(1・2小節目)/Cメジャーペンタトニックスケール(3・4小節目)の4小節目

主音を気にし過ぎない

今度は逆に、12小節目のC△7でAマイナーペンタ、34小節目のAm7でCメジャーペンタ、を使っています。小節の頭に根音の略記号が来ないので、不安になりますが、これでも問題ありません。特にソロでは主音を気にせず、ポジションだけを意識して、テンポよく弾いてやれば、それなり聞こえるものです。

プロ志向のペンタトニック

次からは私が音楽学校で習った、全キーのペンタトニックスケールを、効率よく覚える方法を説明しています。しかし少し複雑で、それなりに大変です。プロを目指すなら、覚えておいた方が良いですが、そうでなければ、覚えずとも全く問題ありません。

ペンタトニックの覚え方

  • Cメジャーペンタトニックスケール(全体)
    Cメジャーペンタトニックスケール(全体)の指板図
  • Cメジャーペンタトニックスケール(0~3フレット)
    Cメジャーペンタトニックスケール(0~3フレット)の指板図
  • Cメジャーペンタトニックスケール(2~5フレット)
    Cメジャーペンタトニックスケール(2~5フレット)の指板図
  • Cメジャーペンタトニックスケール(5~8フレット)
    Cメジャーペンタトニックスケール(5~8フレット)の指板図
  • Cメジャーペンタトニックスケール(7~10フレット)
    Cメジャーペンタトニックスケール(7~10フレット)の指板図
  • Cメジャーペンタトニックスケール(9~12フレット)
    Cメジャーペンタトニックスケール(9~12フレット)の指板図
  • Cメジャーペンタトニックスケール(12~15フレット)
    Cメジャーペンタトニックスケール(12~15フレット)の指板図

フレット毎に区切る

⓿はCメジャー(Aマイナー)ペンタの、全体的なポジションです。それを❶の0~3フレット、❷の2~5フレット、❸の5~8フレット、❹の7~10フレット、❺の9~12フレット、というフレット毎に区切って覚えます。❻の12~15フレットは、❶と同じポジションなので、全部で5つのポジションが作れます。

ポジションと順番

音名は無理に覚えずともよく、❶~❺の●で作られる、ポジションを覚えてください。次に❶❷❸❹❺という、順番も意識してください。❶から❸や、❷から❺という風に、順番を崩さないという事です。他のキーになると、開始番号は違いますが、連番は維持されます。

  • Bメジャーペンタトニックスケール
    B♭メジャーペンタトニックスケールの指板図
  • Gマイナーペンタトニックスケール
    Gマイナーペンタトニックスケールの指板図
  • Bメジャー or Gマイナー ペンタトニックスケール
    B♭メジャー or Gマイナー ペンタトニックスケールの指板図

BメジャーとGマイナーペンタ

①はBメジャーペンタで、②はGマイナーペンタです。両方は平行調なので、主音は違いますが、ポジションは同じです。主音のを無くしただけの⓪から、先程のように、フレット毎に区切っていきますが、Cメジャー(Aマイナー)ペンタと、比較して見ていきましょう。

  • Bメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❷のポジション
    B♭メジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❷のポジション指板図
  • Bメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❸のポジション
    B♭メジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❸のポジション指板図
  • Bメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❹のポジション
    B♭メジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❹のポジション指板図
  • Bメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❺のポジション
    B♭メジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❺のポジション指板図
  • Bメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❶のポジション
    B♭メジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❶のポジション指板図

同じポジションで移行する

上の指板図がBメジャーペンタで、下の指板図がCメジャーペンタです。押さえるフレットは異なりますが、❷❸❹❺❶と同じポジションを維持して、移行していきます。これはBメジャーペンタと、Cメジャーペンタが偶然こうなった、という分けではありません。別のキーでも確認してみましょう。

  • Dメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)全体のポジション
    Dメジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)全体のポジション指板図
  • Dメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❺のポジション
    Dメジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❺のポジション指板図
  • Dメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❶のポジション
    Dメジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❶のポジション指板図
  • Dメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❷のポジション
    Dメジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❷のポジション指板図
  • Dメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❸のポジション
    Dメジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❸のポジション指板図
  • Dメジャーペンタ(上)/ Cメジャーペンタ(下)❹のポジション
    Dメジャーペンタ(上)/Cメジャーペンタ(下)❹のポジション指板図

Dメジャーペンタでも同じ

今度の⓿は上の指板図が、Dメジャー(Bマイナー)ペンタで、下の指板図がCメジャーペンタです。これも❺❶❷❸❹という連番で、ポジションが移行していきます。これは全キーのペンタトニックで共通するので、ペタトニックスケール練習をする時の、大きな手助けになると思います。

どういうこと?

上記のペンタトニックの覚え方が、よく分からないというメールを、年に何通か貰います。私の説明下手もあり、ここではこれが限界ですが、前述したように、プロ志向の覚え方なので、そうでない人は次のような、ペンタトニックの覚え方でも、十分かと思います。

  • Aマイナーペンタトニックスッケール(全体)
    Aマイナーペンタトニックスッケール(全体)の指板図
  • Aマイナーペンタトニックスッケール(5~8フレット)
    Aマイナーペンタトニックスッケール(5~8フレット)の指板図
  • Aマイナーペンタトニックスッケール(12~15フレット)
    Aマイナーペンタトニックスッケール(12~15フレット)の指板図

ペンタトニックの範囲を絞る

⓿はAマイナーペンタの、全体的なポジションですが、これを全て覚えようとせず、❸や❶のように、ペンタトニックの範囲を絞って弾く、という方法です。ここでは❸と❶に絞りましたが、自分の好きな範囲を作る、というのも良いでしょう。❸と❶の範囲を使い、簡単なフレーズを弾いてみます。

大きな譜面を開く
Aマイナーペンタトニックスケールのベースライン
Aマイナーペンタトニックスケールのベースライン4小節

速めに弾くと良い感じ

12小節目は❸のポジション、34小節目は❶で弾いています。前述もしましたが、ペンタトニックはゆったりと弾くより、少し速弾きしてやる方が、格好よさが際立つかと思います。音源を利用して、Aマイナーペンタのフレーズを、考えてみてください。

マイナーペンタ派が多い?

例えば、平行調同士のCメジャーペンタと、Aマイナーペンタを覚えるとしたら、どちらを意識して覚えますか?数十人しか聞いていませんが、多くはAマイナーペンタを意識する、と答えられました。私もそうで、簡単にいうとマイナーペンタの方が、格好良いフレーズを作り易いからです。

記事終了
このページのまとめ
  • ペンタトニックにはメジャーとマイナーがある。
  • ペンタトニックにも平行調の関係がある。
  • ペンタトニックの覚え方は人それぞれ。