コードに関して言えば、ベーシストはコードのルートを弾く、というのが最初に覚える事でしょう。コードネームには必ずルートが記されているので、先ずはルートが何であるのかを、知っておきましょう。これがベーシストがコードを見て演奏する、という事の第一歩だと思ってください。
コードのルート

ルートに関する説明
前のページでも少しルートに触れましたが、その復習をしておきましょう。ルートはローマ字でRootと書き、その頭文字を取ってと略される事も多いです。日本式では根音と言い、ルートと同じ位よく耳にします。また、ルートはコードの最低音という事も、覚えておきましょう。

コードのルートとは?
上記2小節には4つのコード、C△7・Em7・Dm7・G7があります。これらのコードのルートは、△7やm7を省いた「C・E・D・G」で、ベースはともあるように、それぞれのコードのルートを弾いています。3弦3フレット、2弦2フレット、2弦0フレット、4弦3フレットの、指板の音名を見てみましょう。

指板の音名がルートになる
先程のコードC△7・Em7・Dm7・G7のルートと、指板の音名が一致しているのが分かります。とどのつまり、コードのルートを弾くというのは、ルートと同じ英文字を、指板の音名から探して弾く、という事なのです。なので次のように、複数のルートが存在します。
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C△7のルートになるC -
Em7のルートになるE -
Dm7のルートになるD -
G7のルートになるG
どれを選んでもルート弾き
同じ音名でも指板には、異弦同音(いげんどうおん)と言われる、同じ高さの音名もあれば、オクターブの高さが違う音名もあります。もちろん、どれを選んでもルートを弾いている、という事になります。そして、コードのルートのみを弾く事をルート弾きと言います。
ルート弾きは最低で最高
ルート弾きは最低限の仕事ですが、ベーシストがルートを弾く事によって、コードが最も安定するので、最高の仕事をしているとも言えるでしょう。

ルート弾きをするには?
その都度、指板の音名を確認するのも良いですが、暗記するのが手っ取り早いでしょう。ルート弾き自体はシンプルですが、この指板の音名を覚えるのが少し厄介です。一気に覚えてしまおうとせず、一日1フレットだけでも十分なので、少しずつ覚えていきましょう。
♭と#のルート

ルートは♭や#も含める
上記は1小節目がD♭7で、2小節目がF#△7です。こういう場合は、♭や#もルートに含まれるので、ルート弾きをする時には注意が必要です。先ずは♭と#に関しての、基本的な事を知っておきましょう。

フラットとシャープの効果
フラットは半音低くなり、逆にシャープは半音高くなります。半音をベース指板で表すと、フレット1つ分と同じです。フラットとシャープを日本式では、変と嬰と言いますが、ポピュラー音楽で目にする機会は、少ないかもしれません。

半音ずつの変化
ベース指板でD♭とF#を確認しておきましょう。D♭はDからフレット1つ低くなっており、F#はFからフレット1つ高くなっているのが分かります。
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フラットの音名 -
ナチュラルの音名 -
シャープの音名
異名同音のフレット
3弦1フレットをフラットの音名で見るとB♭ですが、シャープの音名で見るとA#となります。他にも二通りの呼び方が出来るフレットがあり、こういった音を異名同音(いみょうどうおん)と言います。同じ高さの音ですが、音楽理論に合わせて使い分けられます。
ナチュラルは幹音
フラットもシャープも付かない音をナチュラルと言い、日本式では幹音(かんおん)と言います。

- コードネームの最初に書かれるのがルート。
- ベース指板には複数のルートがある。
- ルートは♭や#も含む。