音から音への距離を音程(おんてい)と言い、音程には幾つかの種類があります。物差しやメジャーで距離を測ると、センチやメートルといった単位があるように、音程では(ど)という単位を使います。基本的な音程の呼び方と、音程の種類を見ていきましょう。

音程の基本

旋律的音程(せんりつてきおんてい) / 和声的音程(わせいてきおんてい)
旋律的音程(せんりつてきおんてい) / 和声的音程(わせいてきおんてい)の2小節

旋律と和声の音程

音を一音ずつ鳴らす事を旋律的音程と言い、メロディと思えば良いでしょう。同時に鳴らすと和声的音程と言い、分かり易くはコード弾きの事です。鳴らし方に違いはあるものの、音楽を聞いたり演奏したりするには、この音程を感じる事が非常に重要です。

  • Cメジャースケール(3弦3フレット~1弦5フレット)
    Cメジャースケール(3弦3フレット~1弦5フレット)の指板図
  • 1度~8度(3弦3フレット~1弦5フレット)
    Cメジャースケール(3弦3フレット~1弦5フレット)の指板図
  • 1度~8度(3弦3フレット~3弦15フレット)
    Cメジャースケール(3弦3フレット~1弦5フレット)の指板図

Cメジャースケールの度数

❶は3弦3フレットから始まる、Cメジャースケールです。これを度数(どすう)に置き換えると❷のように、3弦3フレットのCを1度とし、以下はDが2度、Eが3度、といった具合になります。数字が大きいほど、1度からの音程が広いので、異弦同音で表した❸のように見ると、より分かり易いかと思います。

  • 4弦2フレットを1度とする度数
    4弦2フレットを1度とする度数の指板図
  • 2弦1フレットを1度とする度数
    2弦1フレットを1度とする度数の指板図
  • 1弦0フレットを1度とする度数
    1弦0フレットを1度とする度数の指板図

度数は一定を保つ

1度が他のフレットになっても、度数は一定の距離を保ちます。❹~❻を見ても、先程の3弦3フレットを1度とする度数が、全体的に同じ距離を保って、移動しているのが分かると思います。

Cメジャースケールの1度~8度
Cメジャースケールの1度~8度を表した8小節

同じ音程は0度ではない

Cメジャースケールに戻し、今度は二音ずつで考えてみます。3弦3フレットのCを基準にすると、2度以降の度数は説明した通りですが、同じ3弦3フレットのCとの音程は、0度ではなく1度として数えます。度数に0度以下はないので、覚えておきましょう。

度数は9度以上もある

度数には9度以上もありますが、先ずは8度以下を知っておけば大丈夫です。因みに、8度までを単音程(たんおんてい)、9度以上を複音程(ふくおんてい)と言います。

度数の冠(かんむり)

  • 1度(C)
    1度(C)の小節
  • 2度(C~D)
    2度(C~D)の小節
  • 3度(C~E)
    3度(C~E)の小節
  • 4度(C~F)
    4度(C~F)の小節
  • 5度(C~G)
    5度(C~G)の小節
  • 6度(C~A)
    3度(C~A)の小節
  • 7度(C~B)
    7度(C~B)の小節
  • 8度(C~C)
    8度(C~C)の小節

度数の数え方は音符

ここからは音符に注目してください。❶を1度とした時、音符が1つ上がった❷が2度、もう一つ音符が上がった❸が3度というように、音符が順番に上がっていく毎に、度数も1度ずつ増えます。これを踏まえて、度数の種類について考えていきましょう。

長7度(ちょうしちど) / 短7度(たんしちど)
長7度(ちょうしちど) / 短7度(たんしちど)の2小節

長と短で区別する

度数だけを見れば、左右の小節は7度ですが、左はBで右はBという違いがあります。両方を同じ7度と呼ぶと都合が悪いので、昔の人は左を長7度とし、右を短7度として区別しました。名前の通り長7度の方が、短7度より距離が長い、詰まりは音程が広い、というのが分かるでしょうか。

長3度(ちょうさんど) / 短3度(たんさんど)
長3度(ちょうさんど) / 短3度(たんさんど)の2小節

3度も長短で区別する

次も度数だけでは、どちらも3度です。しかし、右はEなので、やはり両方を3度と呼ぶと、ややこしくなります。これも同じように、音程の広い左を長3度と、音程の狭い右を短3度と呼んで区別します。

完全5度(かんぜんごど) / 減5度(げんごど)
完全5度(かんぜんごど) / 減5度(げんごど)の2小節

完全音程から減音程

左小節は5度ですが、これを正しくは完全5度と言います。右小節も5度ですが、Gとあるので、完全5度ではありません。完全音程から半音狭くなると、減音程というものになり、右を減5度と言います。

完全5度(かんぜんごど) / 増5度(ぞうごど)
完全5度(かんぜんごど) / 増5度(ぞうごど)の2小節

完全音程から増音程

左小節は先程も見た完全5度です。右小節を今度はG#としてあり、半音広がった状態です。完全音程から半音広がると、増音程というものになり、右を増5度と言います。

  • 長2度・長3度・長6度・長7度の長音程
    長2度・長3度・長6度・長7度の長音程の4小節
  • 短2度・短3度・短6度・短7度の短音程
    短2度・短3度・短6度・短7度の短音程の4小節

長短の冠を付ける度数

3度と7度だけではなく、2度と6度にも長短の冠を付けて、音程の区別をします。長3度短3度長6度短6度は不完全協和音程と言われ、まずまず溶け合う音程とされます。長2度短2度長7度短7度は不協和音程と言われ、音がぶつかり濁る音程です。❾と❿の音源でも確認しておきましょう。

  • 減4度・減5度・減8度の減音程
    減4度・減5度・減8度の減音程の3小節
  • 完全1度・完全4度・完全5度・完全8度の完全音程
    完全1度・完全4度・完全5度・完全8度の完全音程の4小節
  • 増1度・増4度・増5度・増8度
    増1度・増4度・増5度・増8度の4小節

完全の冠を付ける度数

⓬で見られる5度だけでなく、1度と4度と8度にも完全の冠を付けます。これらは完全協和音程と言われ、透き通り綺麗に聞こえる音程です。ここから半音狭くなると⓫の減音程、半音広くなると⓭の増音程となる分けです。ただ、音程は完全1度が最も狭いので、減1度という音程はありません。

増4度 / 減5度
増4度と減5度の2小節

同じ音程でも違う音程

左小節は増4度で、右小節は減5度です。TAB譜だけを見ると同じ音程で、音を聞いても確かに、全く同じ音程です。しかし度数が違うので、増4度と答えるべき問題を、減5度と答えてしまうと、音楽理論的には間違いです。他にもこういった音程は、幾つも存在します。

音程が分かればコードも分かる

ここで説明した事が理解できれば、特にはコードの内容について、分かり易くなると思います。また、度数の種類は他にもあるので、それらについては姉妹サイトの、音程で説明しています。

記事終了
このページのまとめ
  • 先ずはCメジャースケールを1度~8度として考える。
  • 度数は始まりの音符を1度として数えていく。
  • 度数には長短完全増減の冠が付く。