これから初めてのエレキベースを買う人や、2本目以降のエレキベースを買う人もいるかと思います。プレシジョンベースかジャズベースか、アクティブベースはどんなものだろうか、弦高に関して、4弦ベースと5弦ベースの違いなどを、僕なりの考えでまとめてみました。

エレキベースを買う前に

エレキベースをまだ所持していない人も、このサイトを見てくれていると思います。1本目から高価なエレキベースを買うのか、入門用のエレキベースを選んだほうがいいのか、知り合いがベースをしていたり、ベースだけ既に持っているという人もいるかもしれません。購入する前にいろいろ考えてみるのもいいでしょう。

エレキベース入門セットについて

一端のエレキベースやアンプを揃えようとすると、10万近くかかってしまい、これでは予算的に厳しい人が大半だと思います。そんな人はエレキベースと付属品が集まった、入門セットで十分でしょう。これならかかっても3万円程度ですし、止めてしまった場合にもリスクが少ないはずです。入門セットと聞くと粗悪なイメージかと思いますが、最近の入門セットはしっかりしています。

入門用と高価なエレキベース

入門用より何10万円するエレキベースの方が、弾きやすく音も良いのは当たり前です。でも初心者の人が両方を弾いて、ハッキリと違いが分かるかと言えば、そうでない人の方が多いでしょう。僕も高校生の時に楽器屋さんで、15万と3万のエレキベースを弾かせてもらいましたが、あまり違いが分かりませんでした。3万のエレキベースで3年ほど弾き続け、その間に自分の欲しい音やスタイルなどが少しずつ分かり、2本目のエレキベースを購入する時に活かせました。

エレキベースを借りられないか

エレキベース購入時に悩むのことが、やはり予算のことでしょうか。社会人や裕福な家庭で、お金に余裕のある人はいいですが、これから始めようと思っている人は、一般家庭の中高生が多いと思います。また、エレキベースのみならずベースアンプであったり、弦など最低限の付属品も必要になり、何かとお金がかかってしまうものです。なので、買う前にエレキベースを貸してくれる人が、近くにいないかも考えてみてください。例え貸してもらえなくても、何時間か弾かせてもらえるだけでも、エレキベースがどんな楽器か少しは感じられるでしょう。

お勧めベース初心者入門セット

ベース初心者入門セットの購入を考えている方が居られましたら、別ページで僕がお勧めするベース初心者入門セットを付属品や、お勧めするベースアンプなどについても紹介しているので、参考にしてください。

ジャズベとプレベ

初めて買うベースはプレシジョンベースモデルか、ジャズベースモデルのどちらかを選んでおけば正解、とは言い切れませんが、無難な選択だと思います。実際にこの2本で迷う人も多いですし、色んな曲のジャンルで使われているエレキベースです。プレベは自作のものですが、僕は両方所有しているので、簡単に違いを挙げてみましょう。

プレベは音が太くて男らしい

プレベは低音がドッシリとしていて太く厚い音が特徴的です。コントロールノブはボリュームとトーンの、2つが基本で音作りの幅は狭いです。プレベで一番に感じることは、ネックが太いと思うことでしょう。全く初めてエレキベースに触る人なら、違いも何もないですが、ジャズベをある程度弾いていた人が、プレベに持ち替えると、顕著に弾きづらさを感じられるでしょう。サウンドと感触に、男らしさを感じさせるのがプレベだと思います。

ジャズベは音が細くて女らしい

ジャズベはプレベのようなパワーを持っていませんが、バンド全体で演奏した時に、細く良く通る音が特徴的かと思います。コントロールノブはボリュームが1つと、トーンが2つあるのが基本で、プレベに比べると幅広い音作りが可能です。ネックが細いのも特徴で、手が小さい人に弾きやすさが感じられるでしょう。サウンドや弾き心地から、女らしさを感じるのがジャズベだと思います。

フェンダー社のプレベとジャズベ

プレシジョンベースとジャズベースは、フェンダー社が最初に発売したエレキベースの商品名です。なので、本来ならフェンダー社のみのエレキベースを、プレベやジャズベと呼び、その他の楽器会社から発売されているのは、プレベモデルやジャズベタイプと言うのが正しい、というのを聞いたことがあります。

アクティブベースとパッシブベース

ベースアンプは大まかに、BASS(低音)/MIDDLE(中音)/TREBLE(高音)とノブがありますが、アクティブベースにはベース本体にも、複数のノブがあるような感じで、手元でも楽に幅広い音色の変化が可能です。アクティブベースは電池によって動くので、エレキベースに電池ボックスがあれば、それはアクティブタイプだと思ってください。逆に、電池が入らないものをパッシブベースと言います。

アクティブベースのメリットとデメリット

当然、パッシブよりアクティブの方が音作りに余裕が出来ますし、電池を使っている分だけ出力が高く、パワフルで活きの良い音が出せます。またノイズに強いというメリットや、エフェクターとの相性が良いとされています。しかし、電池が少なくなるにつれ細く萎んだ音になるので、常にストックの電池を持っておかなければなりません。また、エレキベースにシールドを差しておくだけでも、電池が減ってしまうので注意が必要です。パッシブベースに対し、値段が少し高めなのもデメリットと言えるでしょう。

パッシブベースはアクティブベースに劣る?

音質的にはアクティブベースの方が上質、という気がしてしまいますが、決してそんなことはありません。パッシブベースを好んで使うベーシストも多いです。よく言われるのが、アクティブベースは機械的に作られた音で、パッシブベースは純粋な音が出せるということです。また、パッシブベースはアクティブベースより、音の強弱がはっきりしているので、表情がつけやすくなるかと思います。

アクティブベースにモディファイ

アクティブタイプのエレキベースを有名にしたのは、マーカス・ミラーというベーシストと、彼のエレキベースをモディファイした、ロジャー・サドウスキーでしょう。モディファイとは改造の意味で、パッシブベースの中にプリアンプという機械を備え付け、アクティブベースにした分けです。なので、もしパッシブベースを所持していたなら、それをモディファイして、アクティブベースにすることだって可能です。また、プリアンプにはベース本体に組み込む、オンボードプリアンプ(内蔵型)と、エフェクターのようにシールドで繋ぐ、アウトボードプリアンプ(外付け型)があります。パッシブかアクティブかでも幾つか選択肢があるので、じっくり考えてみてください。

弦高の高さについて

エレキベースを弾き易くさせる要因の1つに、弦高(げんこう)というものがあります。弦高とはフレットと弦の間の高さのことで、この高さがミリ単位違うだけで、弾きやすさや音にも影響してきます。初心者には弦高を低くすると弾き易いと言えますが、これにも良し悪しが出てきます。

12フレット目の弦高
12フレット目の弦高の画像

ローアクションとは?

弦高を低く設定することを、ローアクションと言います。弦高の高さは12フレット目で計るのが通常で、ローアクションの高さに基準はないですが、ローアクションで有名なインナーウッド社では、12フレット目が1ミリ以下か、またはそれ位で、ローアクションと考えられているようです。

ローアクションのメリットとデメリット

フレットと弦の距離が近ければ、楽な力で弦を押さえられます。特に長時間の演奏や、何日も連続でライブ演奏が続く場合など、ローアクションのありがたさが分かると思います。また速弾きをするベーシストや、スラップを多用するベーシストにも、弾きやすいセッティングとされています。しかし、弦高が低すぎると、弾いた弦が揺れてフレットにカチカチ当たり、俗に言うビビリという現象が起きます。バラードのような静かな曲で、音をビビらせてしまっては台無しです。また、低い弦高ではアタック感が小さくなりがちで、ビシっと決めなければならない音でも、イマイチと感じられるかもしれません。

弦高はベーシスト好み

結局「弦高は高いか方が良いのか?低いほうが良いのか?」と言われれば、好みや音楽スタイルの問題です。ローアクションでビビっても気にならないし、バンド演奏でもビビリなんて聴こえてこないし、アタック音にも問題ないと思ったら、ローアクションでもいいでしょう。また、弦高の調節はネックやフレットの状態に左右されるので、楽器のケアにも気を配る必要があります。

4弦ベースと5弦ベースの比較

1984年に日本で初めて、5弦ベースを発表したのがヤマハ社です。当初は演奏の性能や、アンプの音割れなどの問題が、少なからずあったみたいですが、2018年現在ではほぼ解決していて、楽器店でも多く見られます。4弦ベースと5弦ベースを、比較して考えてみましょう。

弾きやすさ

5弦ベースをある程度弾き慣れた人でも、弾きやすさは4弦ベースの方がかなり楽だと感じるはずです。1本弦が多くなる分だけミュートにも気を使いますし、ネック幅が広がることで、フィンガリングにも影響が大きいです。重量は5弦ベースの方が重いので、立っての長時間の演奏はしんどいです。

音の鳴り方

バンド演奏した時に、より音が通るのは4弦ベースの方だと僕は感じます。もちろん音の設定にもよりますが、4弦ベースの方が音の輪郭がハッキリしている、という印象です。僕が上等な5弦ベースを弾いたことがない、というのもあるかもしれませんが、5弦ベースは少し曇った音が出るような気がしています。

5弦ベースのLow-Bは便利

僕が4弦と5弦で気になる2点を挙げてみましたが、これだと5弦ベースはデメリットばかりか、と思ってしまいます。でも決してそんなことはなく、僕もそれほど高価なものではないですが、5弦ベースを所有していて、5弦目のLow-Bと言われる、4弦より更に低い音が出せると、かなり便利に感じます。半音下げチューニングなどにも、そのまま対応できますし、5弦ベースにもメリットが多々あります。これから5弦ベースを弾こうと考えている人は、弦が1本増えるだけですが、大きく違う楽器と考えておいた方がいいでしょう。

いきなり5弦ベースという選択肢

「初めて買う1本目に5弦ベースはダメですか?」と聞かれることがあります。僕は4弦ベースから始めたので、全く問題ないとは言い切れませんが、5弦ベースから始めてみるのも、悪くなく面白いと思います。実際に5人だけですが、友達や生徒さんは5弦ベースから始められて、それでも問題なく弾けていました。5弦ベースから始めてみると、上記のような差で悩むことがないかもしれません。

記事終了
このページのまとめ
  • プレベとジャズべの1番の違いはネックの太さ。
  • エレキベース本体に電池が入ればアクティブベース。
  • 弦高の低いセッティングをローアクションと言う。