ピック奏法の細かな部分にも、具体的な呼び方が決められており、演奏目的によって使い分けられます。既にピックで弾いている人たちは、自然と出来ているかもしれませんが、呼び方の確認をしておきましょう。また、ピック奏法で辻褄を合わせる弾き方、も覚えておくと良いでしょう。

ダウンとアップでオルタネイト

ダウンピッキングの記号
ダウンピッキングの記号2小節

ダウンピッキングは弾き下ろす

ピックを人差し指と親指で摘まむとして、人差し指側のピック面で弾き下ろせば、それはダウンピッキングと呼ばれます。ダウンピッキングは片仮名のコを、左に90度回転させた、Πのような記号が使われます。ダウンピッキングがピック奏法の基本、と言って良いでしょう。

アップピッキングの記号
アップピッキングの記号2小節

アップピッキングは弾き上げる

同じくピックを親指と人差し指で摘まむとして、親指側のピック面で弾き上げれば、それはアップピッキングと呼ばれます。アップピッキングはアルファベットのV、と似たような記号が使われます。アップピッキングだけを連続させ弾く事は、普通はしませんが、慣れると癖になり面白いです。

オルタネイトピッキング(ダウンピッキング+アップピッキング)
オルタネイトピッキング(ダウンピッキング+アップピッキング)の2小節

オルタネイトピッキングは必須

ダウンピッキングとアップピッキングを、順番に使う事をオルタネイトピッキングと言います。オルタネイトピッキングは、テンポの速い曲に向いており、必ずと言って良いほど、身に付けておかなければならない、ピック奏法のスキルです。

オルタネイトピッキング(アップピッキング始動)
オルタネイトピッキング(アップピッキング始動)2小節

アップピッキングから入る

オルタネイトピッキングは、ダウンピッキングから入るのが自然で、アップピッキングから入ると、リズムも取り辛く安定しません。しかし、これはピック奏法の良い練習にもなるので、余裕があればアップピッキングから入る練習、というのをしてみてください。

ダウンピッキングで弾くフレーズ
ダウンピッキングで弾くフレーズ8小節

音の粒を揃えて弾く

上記の計8小節を、ダウンピッキングだけで弾いてみましょう。ダウンピッキングは音の粒を揃え易い、という特徴があります。音の粒を揃えるを簡単にいうと、音量を均等にする、と考えても良いでしょう。ここは機械になった気分で、無心で弾いてみましょう。

BPMとは?

ビートパーミニッツの略で、曲のテンポを表しており、数値が高いほど、速度も速くなります。

オルタネイトピッキングで弾くフレーズ
オルタネイトピッキングで弾くフレーズ8小節

オルタネイトピッキングの音量

今度も同じフレーズですが、BPMが180です。これをダウンピッキングのみで弾くには厳しいので、オルタネイトピッキングを利用しましょう。オルタネイトピッキングになると、ダウンとアップで音量に大きなバラつきが出る人も多いので、そこに注意して弾いてください。

オルタネイトピッキングのコツ

上下のオルタネイトピッキング(音なし)

ピックが弦に引っかかる

前のページでも説明しましたが、ピックは弦に対して平行に当てる、というのが基本です。そこからダウンピッキングは真下に、アップピッキングは真上に、を繰り返し、オルタネイトピッキングをします。しかし、ピックの長さ等により、弦に引っかかってしまう、という事もよくあります。

斜めのオルタネイトピッキング(音なし)

ピックを抜け易くする

ピックは弦に対して平行に当てつつ、少し斜めを意識して、オルタネイトピッキングをしてやると、ピックが弦をスルリと、抜け易くなるかもしれません。上下のオルタネイトピッキングより、音量は少し減ってしまいますが、コツを掴むにのは、良い方法かもしれません。

(から)ピッキング

大きな譜面を開く
空ピッキングなしのフレーズ
空ピッキングなしのフレーズ4小節

アップをダウンにする

この4小節をオルタネイトピッキングで弾くと、2小節目の頭にある8分休符のために、34小節目をアップピッキングから入る、という事になります。弾ければ問題ありませんが、次のようなスキルを使うと、34小節目をダウンピッキングから入れます。

大きな譜面を開く
空ピッキングありのフレーズ
空ピッキングありのフレーズ4小節

空ピッキングは空振り

2小節目の8分休符に、ダウンピッキングの記号がありますが、これはピックを弦に当てず、わざと空振りさせてやります。そうすると、次の3弦3フレットをアップピッキングし易くなり、更には34小節目も、ダウンピッキングから入れるわけです。これを空ピッキングと言います。

ゴーストノート(空ピック)のフレーズ
ゴーストノート(空ピック)のフレーズ2小節

ゴーストノートにする

先程の12小節目の抜粋で、8分休符を×のゴーストノートにしてあります。ゴーストノートは音を出しませんが、ピックと弦の接触があるので、リズムを取り易いかもしれません。空ピッキングが上手くいかない人は、ゴーストノートから練習してみる、というのも方法でしょう。

空ピッキングと空ピック

空振りさせるのを空ピッキング、ゴーストノートにするのを空ピックと言い、区別する場合があります。又は逆に、空振りが空ピックで、ゴーストノートが空ピッキング、と説明される場合もありますが、大した事ではないので、あまり気にしなくても良いでしょう。

  • 4分音符と8分音符のフレーズ
    4分音符と8分音符のフレーズ2小節
  • アップピッキングの空ピッキング
    アップピッキングの空ピッキング

空ピッキングを自然に感じる

先ずは❶のフレーズを、指示にある通りのピッキングで弾いてください。問題なく弾けた人も、4分音符の後に注目すると、❷のようにアップピッキングの空ピッキングが、自然発生していると言えます。このように、空ピッキングを意識せずに、自然に感じられると良いでしょう。

大きな譜面を開く
ピック弾きの練習ベースライン
ピック弾きの練習ベースライン9小節

色んな弾き方をする

最後に総合的な、ピック弾きの練習をしてみましょう。やはり難しいのは、8分休符の空ピッキングですが、前述したように、それらの部分は、ゴーストノートにしても良いでしょう。オルタネイトで弾けた人は、ダウンピッキングのみで弾いたり、指示に拘らず、色んな弾き方をしてみてください。

記事終了
このページのまとめ
  • ピック奏法の基本はダウンピッキング。
  • アップピッキングも合わせると、オルタネイトピッキング。
  • 空ピッキングは自然に使えると良い。