ピックと言われる道具を弦に当て、音を出す弾き方を、ピック奏法やピック弾きと言います。ピックには大きさ・形・材質などの種類があり、それらにより音や持ち方など、大きく変わってきます。ピックを弦に当てる角度にも、基本とされる角度がありますが、角度を変えて弾くベーシストもいます。
ピックの種類

ピックの素材と種類
ピックの素材はプラスティック製が最も多く、使い易いと思います。加工を施した木製ピックもあり、これも使い易いでしょう。鉄製やガラス製のピックもありますが、それらは実用的ではないと思います。上記にも示すピックを、三種類に分けて見ていきましょう。
- 三角形で大きく厚いピック
初心者向けのピックとして、紹介されている事が多いです。私が初心者の頃の印象ですが、大きすぎて使い易いとは、感じられませんでした。
- ミディアムピック
大きさは手頃、形は丸みを帯びた三角形、厚さは1ミリ程度の、ノーマルなピックです。このタイプのピックを使っているベーシストが、最も多いかと思います。
- 小さく薄いピック
ミディアムピックより少し小さめで、薄さが0.5ミリ程度のピックです。弦に当たる感触がソフトなので、抜けは良いですが、音も薄く感じられると思います。
ピック選びは大変
言わずもがな、使い易いピックを選べば良いのですが、それを見つけるまでが大変で、多ければ100枚近くは試す事になるでしょう。

ピックも消耗品
ピックは弦との摩擦により、先端が徐々に削れてしまいます。上記のピックの先端は、それほど削れておらず、まだマシな方ですが、音や弾き心地も変わるので、交換の必要があります。
ピックの滑り止め対策
特にライブでは緊張や興奮で、手にも汗をかき、ピックが少しずつ滑ってしまいます。ツルツルのピックは表面に、カッターで傷跡を付けてやると、滑り止めになったりもします。
ピックの持ち方
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人差し指側から見たピックの持ち方 -
親指側から見たピックの持ち方
ピックの持ち方の基本
ベースの教則本等では、以下のように書かれている事が多いでしょう。しかし先ずは、文字を書く時のペンを持つような感覚で、自然に持って弾いてみるのも良いです。ピックや自分の手の大きさ次第では、中指も加えた3本指で、ピックを摘まむ事もあります。
- ピックは親指と人差し指で摘まむ。
- 弦を弾いた時に、ピックが飛ばされない程度の力が良い。
ピックの先の長さ
ピックを摘まんでいる指からピックの先を、どれくらい出して弦に当てるかですが、これにも個人差があります。ピックの先を長めに出すと、弦にも当たり易く、しっかりした音が出ます。ピックの先を短めにすれば、速弾きには適していますが、弦に当たり辛く、音も薄くなります。
先ずは長めで弾く
長い短いと言っても、ミリ単位の違いですが、弾き心地は雲泥の差です。先ずは弦に確実に当てられるように、ピックの先は長めに設定して弾く、というのをお勧めします。
ピックと弦の角度
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ピックが弦に対して平行 -
ピックを倒し過ぎ -
ピックを起こし過ぎ
ピックの基本的な当て方
❶のように、弦に対してピックを平行に当てるのが基本、と考えてください。ピックの先の長さにもよりますが、ピックと弦を平行に当てて弾く時が、最も力強い音を出す事が出来ます。
ピックと弦が平行ではない
❷は弦に対して、ピックを倒し過ぎており、❸は弦に対して、ピックを起こし過ぎています。時にはこういった角度になる場合も、あるかもしれませんが、基本として考えるのは、よくないでしょう。
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人差し指がブリッジ側の角度 -
人差し指がネック側の角度
ピックが抜け易くなる
❹と❺は弦とピックが平行な状態から、角度をつけ斜めに当てています。このようにピックを当てると、音が小さくなりますが、ピックが抜け易くなるので、これらの角度を好むベーシストもいます。
先ずは角度なしから
初心者の内からピックに角度をつけ、練習するのは避けるべきかと思います。上手いベーシストは、ピックに角度を付けたり無くしたりして、音量や音色を調節するものです。

- ピックの種類は豊富で選ぶのが大変。
- ピックの持ち方は親指と人差し指が基本。
- ピックと弦の角度で弾き易さや音が変わる。