2本の弦を同時に弾く事をダブルストップと言います。ベースは主に単音を弾く楽器ですが、昨今ではダブルストップ以上も、よく聞く事が出来ます。また、ギターほどの和音は作れないものの、ベースでコード弾きをする事も可能で、それで伴奏するベーシストも多くいます。
ダブルストップ
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中指と人差し指のダブルストップ -
親指と中指のダブルストップ
ダブルストップの指は自由
例を挙げると、❶は1弦と2弦を中指と人差し指、❷は4弦と1弦を親指と中指、でのダブルストップです。❷のように、弾く弦が隣り合わない場合は、親指を使う事が多いですが、薬指や小指を使っても構いません。では次に押弦の事も考えて、ダブルストップの練習をしてみましょう。
ピック弾きのダブルストップ
ピックを親指と人差し指で摘まむとしたら、ピックで低い弦を弾き、中指や薬指で高い弦を弾くというのが、ピック弾きでよく見られる、ダブルストップの運指です。
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1・2弦のダブルストップ(低音域) -
1・2弦のダブルストップ(高音域)
押弦の指もチェック
高音域の❹は1弦を中指、2弦を人差し指、が押弦し易いかと思いますが、他の組み合わせになっても良いです。因みに私は、1弦を小指、2弦を薬指、が押弦し易いです。
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4・1弦のダブルストップ(低音域) -
4・1弦のダブルストップ(高音域)
セーハの押弦
❺の5フレット同士、❻の12フレット同士は、セーハの押弦をしてやりましょう。❻の17フレット同士も、セーハでよいのですが、ベース本体によっては、セーハで押弦し辛い場合もあります。
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3・1弦のダブルストップ(低音域) -
3・1弦のダブルストップ(高音域)
オクターブの押弦
全てオクターブのダブルストップです。❼の開放弦以外は人差し指と小指、❽の高音域では手の小さい人も、人差し指と薬指が押弦し易いかと思います。
ダブルストップの指を試す
有名なギターフレーズを、少しアレンジさせてみました。❾が完全5度(かんぜんごど)という音程、❿がオクターブのダブルストップです。弾いている内に、自分に合ったダブルストップの、指の組み合わせが見つかると思うので、色んな指を使ってみましょう。
トリプルストップ以上もある
三音同時弾きをトリプルストップ、四音同時弾きをクォドルストップ、と言う場合もありますが、そうなってくると、次から説明している、コード弾きに大きく関わってくるでしょう。
コード弾き
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C(シー・メジャー) -
Em(イー・マイナー) -
FM7(エフ・メジャー・セブンス) -
G7(ジー・ドミナント・センブス) -
Am7(エー・マイナー・セブンス)
コードトーンの性格
上記は4弦ベースのコードポジションで、R・M3・P5などの記号をコードトーンと言います。コードトーンをハモらせていけば、コード弾きにはなるものの、それぞれには性格があり、それらを知っておくと、コードの良さを出せると思います。幾つかのコードトーンを、簡単に見ておきましょう。
- R(根音)
コードの最下部に持ってくると、最も安定した響きになるのが根音(こんおん)です。英語式でルート、と言う方が多いでしょう。
- M3(長3度) / m3(短3度)
コードの性格を決める重要な音で、長3度(ちょうさんど)は明るさや楽しさ、短3度(たんさんど)は暗さや悲しさ、を持っています。
- P5(完全5度)
完全5度(かんぜんごど)は、厚みを出すような音ですが、コードの性格に影響が少ないので、しばしば省かれたりします。
- M7(長7度) / 7(短7度)
長7度(ちょうしちど)と短7度(たんしちど)は、お洒落さを作る音ですが、短7度は長3度とハモらせると、不安定なコードになります。

フィンガーピッキングの記号
フィンガーピッキングで弦を弾く時、どの指を使うかを、上記の省略記号で表す事が多いです。しかし、後述もしていますが、その時々に合わせて、好きな指を使えば良いでしょう。因みに、小指はchと表しますが、単体で使う人は稀でしょう。では、コード弾きを練習していきましょう。
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コード C の低音域 -
コード C の高音域
コードは高音域がお勧め
❶と❷はオクターブの音程差があり、❶も使えない事はありませんが、やはり❷のように、ある程度高音域の方が、聞き取り易いかと思います。また、コードは同時に弾くばかりでなく、上記のように一音ずつ弾く事もあり、それをアルペジオと言います。
正しい音符の長さ
上記の音符の長さを正確に表すなら、このような音符の書き方になりますが、書くのが大変な事や、反って見た目が複雑になり、上記のように以下からも、簡略した書き方をしています。
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P・i・m・a のフィンガーピッキング -
P・i・m のフィンガーピッキング -
P・i のフィンガーピッキング
フィンガーピッキングの運指
4弦をP、3弦をi、2弦をm、1弦をaという、クラシックギタリストがとるような、❸のフィンガーピッキングが出来れば、言うことありません。しかし、これはかなり難しいので、❹の運指になったり、Pとiだけを使う、❺の運指になったりと、色んな運指をする人が居ます。

薬指を押弦の軸にする
最後の同時弾きですが、直前まで押弦していた、2弦14フレットの薬指を、弦から離してしまわず、それを軸にするかのように、残りの人差し指と小指を、押弦に回してやりましょう。

音を止めないピッキング
最初に4弦と1弦を同時に弾きますが、次からの3弦と2弦をピッキングする時、4弦と1弦の弦に触れてしまい、音を止めてしまわないよう、ピッキングに注意してください。

開放弦からハンマリング
特に開放弦がコードの構成音に含まれる場合、開放弦からのハンマリングから入っても、また面白いコード弾きを作れるでしょう。開放弦がコードの構成音に含まれなくても、大きく変にはなりません。
大きな譜面を開く
コードの押さえ方について
コードの数は沢山ありますが、Dm7とEm7のように、同じ種類のコードなら、フレットをずらせば、使えるようになります。しかし、同じ種類のコードでも、押さえ方は一通りではありません。ベースのコード一覧表を参考に、自分の得意なコードの押さえ方を、作っておくのも良いでしょう。
ダブルストップ・コード弾きの練習
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ダブルストップも癖が出る
ジャズに「SoWhat?」という曲があり、それを簡単にアレンジしたものです。私は2・4小節目をmとa、6・8小節目をPとm、というダブルストップです。ダブルストップも人により、使う指に癖が出てくるものです。それほど多い組み合わせはありませんが、色んな指でダブルストップを試してみましょう。
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自分で伴奏を作るのも良し
クラシックの「楽しき農夫」に、コード弾きで伴奏を付けてみました。5小節目の4弦15フレットは、ネックを握りしめるように、親指で押弦するのも一つです。6小節目の波線は3~1弦を、シャラ~ンと弾く記号で、私は親指で撫でるように弾いています。オリジナルの伴奏を、作ってみるのも良いでしょう。
弾き方は色々ある
指でデコピンをするように、弦を弾く人もいれば、フラメンコギターのように、シャカシャカ弾く人もいます。やってはいけない事などないので、色んな弾き方を試してみてください。

- ダブルストップで使う指は自由。
- ベースのコード弾きは聞き易い音を作る。
- コードの押弦は幾つかの種類がある。