弦の上を指で滑らせて、音を出すテクニックをスライドやグリッサンドと言い、弦楽器特有の伸びのある、サウンドが特徴的でしょう。両者は呼び方が違うだけで、フィンガリングは同じですが、意味合い的に少し違いもあるので、それも知っておきましょう。
スライドの運指と記号
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3弦3フレットの音を出す -
3弦5フレットまでスライド
スライドとピッキング
❶は3弦3フレットの音を、ピッキングして出しています。そこから押弦している人差し指を、3弦5フレットまで滑らし、スライドさせたのが❷です。スライドしている最中や、スライドが終わった直後に、ピッキングし直す必要はなく、指を滑らせて得る音がスライド奏法です。
スライドのコツ
ネックを支えている親指や、ネックを握っている手は、ネックに密着させたままではなく、少し浮かしてやると、スライドし易くなると思います。

スライドアップは音が上がる
スライドを表す記号は、音符と音符を線で繋ぎ「S」で、表す事が多いでしょう。上記は3弦の3フレットから5フレットと、音が上がっているので、正確にはスライドアップと言います。

スライドダウンは音が下がる
今度は3弦の5フレットから、3フレットまでのスライドで、音が下がっています。これを正確にはスライドダウンと言いますが、スライドアップもスライドダウンも、単にスライドと言う事が多いです。
スライドの開始位置と速度は?
曲のテンポに左右される場合が多いですが、これといって正確な決まりはないので、ベーシストによりスライドのさせ方は、違ってくる事もあります。
グリッサンドの運指と記号

グリッサンドの始まり
グリッサンドは始まりのフレットが、指定されていない場合が多いです。なので、上記なら3弦の好きなフレットから、7フレットや10フレットまで、スライドと同じ運指で、指を滑らせてやります。

グリッサンドの終わり
グリッサンドは終わりのフレットも、自由な場合があります。上記なら3弦の7フレットと10フレットから、好きなフレットまで、グリスダウンしてやります。

グリッサンドは自由度が高め
グリッサンドの開始と終了フレット、どちらも自由な場合は上記のように、×で表している事があります。明確な決まりはありませんが、グリッサンドはスライドより、自由度が高いと思います。
グリッサンドの省略記号
glissando(グリッサンド)を略すと、gliss.(グリス)で、更に略して「g」だけ、上記のように波線だけ、という場合もあります。
スライド・グリッサンドの練習
大きな譜面を開く
スライドが指を作る
上記のような短いスライドでも、初心者なら直ぐに指は痛くなります。しかし、繰り返す内に指の皮も厚くなり、スライドさせ易い指を、作ってくれるはずです。更には力まずにスライドさせられる、程よい力加減も身に付いてくるでしょう。
大きな譜面を開く
スライドで使う指
私の4小節目の押弦は、上記のようになりましたが、2弦3フレットを中指、3弦3フレットを人差し指で、中指を使いスライドさせる方が、運指し易いと思います。しかし、無理にとは言いませんが、慣れない薬指や小指でスライドさせる練習、というのをしておいても良いでしょう。

- スライド奏法は指を滑らせて音を出す。
- グリッサンドもスライドと同じフィンガリング。
- グリッサンドは開始や終了フレットが割と自由。